現代囲炉裏の2世帯住居
密集市街地でありながら光が降り注ぐ住まいです。
- 1996年 完成
- 所在地/兵庫県伊丹市
- 家族構成/夫婦+子供2人+母
- 主体構造・構法 鉄骨造地上3階 基礎 独立基礎
- 敷地面積 112.15㎡
- 建築面積 71.25㎡(21.5坪)
- 延床面積 174.49㎡(52.8坪)
- 施工 株式会社 創建工業
データ
隣家からの視線が気にならないよう、上部の吹抜けに窓を設けています
<設計主旨>
阪神大震災によって半壊した住宅の建て替えです。鉄骨造として地震に耐えうる建物にしました。
住宅が密集する地域の奥まった場所に位置します。中庭を確保し、家族室の窓の位置を断面的に工夫することで、太陽光、風の流れ、プライバシーを考慮しています。曇天の日でも明るく、夏は空調に頼らないよう設計されています。
2世帯住宅で、1階はお母さんの住居空間、2階、3階を子世帯の住居空間としています。
親世帯の住空間には、キッチンも備え、分離して生活することも可能です。2階の家族室に家族全員が集まることができるように囲炉裏を切った大テーブルを設け子世帯と緩やかにつながります。
玄関の鉄製の格子扉を引くと、半屋外の通り土間があり土間を隔ててハナレの部屋を設けています。
洗面器が隠された家具調の設備ユニット、ハッチを開けて上る屋上庭園などに遊び心をもたせています。
囲炉裏をつくり、雨水利用タンクを備え、機器に頼らない空調などを考慮した設計は、震災時にガスや水道、電気など都市設備が使えなくなった経験からの教訓といえます。
住まい玄関は路地の突き当りに位置します。 玄関格子戸を入ると通り土間になっています。
通り土間/2世帯それぞれの玄関とハナレの入口があります。緩やかに分けています。
吹き抜けか心地よい家族室。テーブル部分は小上がりの堀こたつ式になっています。
高い位置にある窓から光が燦燦と入ります。
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大テーブル上部に囲炉裏が下がっています。窓には内障子を設けています。
囲炉裏付の杉板の大テーブルを設けた家族室。
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家具のように設備ユニットをつくっています。扉を開けると、洗面、ドアホンモニター、電話・FAX、収納が隠れています。
屋根の一部は、上れる屋上テラスになっています。
夕景
撮影:平井良行(*以外)