狭小地に建つ建坪9坪の家
間口4mの狭小敷地をめいっぱい利用し全室に光が入り風の通る快適な空間をつくります。
- 2003年6月 完成
- 所在地/大阪市城東区
- 家族構成/夫婦+子ども1人(1才)
- 主体構造・構法 木造3階建て べた基礎
- 敷地面積 41.8㎡
- 建築面積 29.81㎡(9.0坪)
- 延床面積 86.11㎡(26.0坪)
- 施工 株式会社 ハウスフリーダム
データ
道路側の全面格子が表情をつくります。
<設計主旨>
大阪下町の密集住宅地に建つ間口4mの住まいです。
間口が狭く隣家との隙間がないため唯一光が入る道路側に大きな開口部とテラスを配します。
道路からの視線を遮るため、光と風は入る目隠しの格子を設けます。
日本の町家に古くからあるデザインをアレンジしています。
住宅の真ん中にはエキスパンドメタルでできた階段を設けます。
上部に設けられたトップライトからの光が1階まで落ちる光の筒となります。
トップライトは開閉ができて空気の流れる換気塔としても役立ちます。
狭小ながらも前栽、テラス、スキップフロア、可変性のある畳室、土間空間が面積以上の豊かさを住まいにもたらします。
正面は目隠しの格子を設けています。
玄関土間:内部廊下は玄関と同じタイル仕上げ、通り土間のように続きます。
玄関土間の脇に畳室を設けています。道路側は格子に囲われた庭に面します。
畳室の扉を引き込めば、玄関土間と広く使えるゲストスペースです。
部屋の真ん中にある、鉄骨のらせん階段を通してトップライトからの光が1階まで届きます。
2階/階段手前のリビングから食事室を見ます。食事室からテラスに出れます。
らせん階段見上げ。エキスパンドメタルの踏板は光と風を通します。
家族室と食事室は床の高さに変化をもたせたスキップフロアとなっています。
3階/子ども室にはロフトを設けます。将来的に2室に間仕切れます。
階段室向こうの寝室へ渡る廊下はスノコ状、扉はポリカーボネイト入りとして光を入れています。
夕景:格子から光がこぼれます
撮影:古川泰造