真島元之建築設計事務所

トップ > ブログ・日記 > エッセイ

エッセイ 2002.4~2010.1

謹賀新年~猪年

イノシシ ゆっくり歩くよ


 
 ゆっくり歩いて周りを見ながら楽しむのもいいものです

 歩いてみる風景は急いでいるときに見る風景とは違って見えます

  今年もよろしくお願いします  (2007.1.1)

オフィス街の動物園

大阪淀屋橋・北浜かいわい


  
 高麗橋野村ビルディング 生駒ビルヂング

 
 青山ビル

  
 芝川ビルディングと綿業会館

 大阪淀屋橋、北浜かいわいのオフィス街は明治、大正、昭和各時代に建てられたオフィスビルヂングが立ち並んでいます
 特に、むかしのものは重厚なもの、瓦屋根を使ったもの、石やタイル貼りなど個性的な現在も愛されて使われているビルが多いです
 看板や装飾を見ているだけで楽しいものです

   
  古い建物の隣で新たに高層ビルが建っていきます

 かつて個性的であったビルも構造上、老朽化、床面積の有効利用などの面から建て替えられてきています
 文化財的な価値からも少しでも残されることを願っています

   建物をよく観察して隠れている動物を見つけてください
   動物の装飾が愛らしい

   

   
  ライオン・鷲・トラ・羊・獅子?など  (2006.12.12)

川の下の歩行者トンネル

安治川に残る遺産建造物


 
 安治川から見たトンネル入り口のビルです 両岸に建っています
 
 貞享元年(1684)より水都大阪の主要水路として利用された大阪安治川の両岸には回船問屋や船宿が立ち並んでいました
 両岸を結ぶ渡し船の乗り場がありました

 安治川隧道(あじがわずいどう)がつくられたのは、昭和19年(1944)、安治川の底をトンネルで結びました
 当時は人と車双方が通行できましたが、現在は自動車用のトンネルは閉鎖され、人と自転車が利用できます

   
 安治川の両岸にエレベーターのビルがあります
 
  
 自転車も乗れるエレベーターで川の下へ  自転車がすれ違えるほどの幅のトンネル

 エレベーターに乗るとエレベーターボーイのおじさんが下へと案内してくれます
 トンネル内はタイルが張られていて少しひんやりしています
 1分も歩けば対岸へ上がるエレベーターに着いてしまいます
 これで、短かい昭和へのタイムスリップの旅行は終わります

 USJに遊びに来た帰りにでもこの珍しいトンネルを体験してみては・・・

  *市営地下鉄九条駅から、きらら商店街を抜けてすぐにあります  (2006.11.12)

大阪で現役のちんちん電車

阪堺電車


  
 車窓から見た路面電車  車体に描かれている絵はいろいろです
 
  
 近所の学生の足になっています  堺のビルの中もカラフルな電車が走ります

 大阪では、今もちんちん電車が元気に働いています
 大阪南部と堺をつなぐ阪堺電車です
 その歴史は古くって、明治33年に馬車がレールの上をお客さんを乗せて走る馬車鉄道として始まり、明治42年に電車に変わったそうです
 大阪は天王寺駅を始点とする線と通天閣の足元の恵美須町からの線があります
 堺の終点は浜寺駅前です
 1両だけの車両のボディはカラフルなペンキ絵で化粧されています
 電車は家の裏の軒すれすれに走り去り、住吉大社の前を通り抜け、大和川をまたいで昔ながらの堺刃物店の町家の格子前を過ぎます
 コンクリの無人のホームには、昔からそこに建つ家の玄関が向けられていたり、商店街の脇にあったり、木造のかわいい屋根の待合があったり、レトロで庶民的で親しみやすさがあります
 30人ほどがかけられる長いベンチシートの車内は、ランドセル背負った子どもや学生、お年寄り、乳母車を引くお母さんなど。地域に暮らす住人の大切な足になっています
 ヨーロッパでは、環境面やバリヤーフリーの観点から都市部から車を締め出す路面電車が見直されています
 大阪のちんちん電車は、庶民の生活が現れていて情緒があり、懐かしさを感じます
 現役でいつまでも活躍してほしいものです

  *車両を借り切ることもできるので、友達数人が集まってパーティを開くこともできます

 阪堺線寺地町(てらぢちょう)駅近くに甘味処【かん袋】があります
 緑色のあんに白玉を絡めたくるみ餅。ほとんどのお客さんは、カキ氷を上にかけた氷くるみ餅を頼みます
 茶の匠、千利休の活躍した地のせいか、うまい菓子が多いのです

 
 氷の下にくるみ餅が隠れています  (2006.10.1)

カラフルな下町 新世界

通天閣界隈


 
 通天閣界隈は看板アートの真骨頂を見せています
 
   
 通天閣は身近で見るとやっぱり迫力があります  通天閣の足元、恵美須町駅に着く路面電車もカラフルだ

  
 大衆演劇の手描きの看板は町の風景の一部です

 20年以上も前に新世界の映画館に来たのが最初でした
 学生時代、映画に夢中だったころ、学校の帰り途中の天王寺の名画座にちょくちょく通っていました
 劇場の客席から直接入る場所にある隣のトイレからは上映中だろうと扉が開くたび光と、それとともに匂いも洩れてきたものでした
 そのころは天王寺公園にフェンスはなく自由に出入りできました
 酒でほろ酔いのおじさんたちが公園で寝ていたり、カセットかけて踊っていたり、のどかでした
 新世界は、立ち飲み屋、路上で座っている人、小便の匂い、ポルノ映画館、そうしたものが若者には少し近寄りがたい雰囲気にしていました
 立ち飲み、大衆演劇はおじさん、おばさんのもので若者には興味のないものでした

 今日来てみると、この町もずいぶん変わりました
 夏休みも終わった平日の昼間なのに、通りを歩いている人が多いのです
 それも若い人が多く、以前は見なかったカップルや女性グループなど、カメラで町の風景を撮っています
 話している言葉からは観光で遠くから来ているようです
 グルメ番組でも取り上げられているせいでしょう、串かつ屋さんの数もずいぶんと増えています
 こぎれいになった新参の串かつ屋さんにも気軽に入っています
 うまく若者と共存しているのです
 ここまで活性化した町のあり方は、各地で勢いをなくした商店街などの再生のヒントになりそうです
 かつて博覧会場として賑わった新世界が、新たに生まれ変わった第2の新「新世界」になっています

 しかし、その反面、気になることがあります
 大人数に対応した大型居酒屋が新たに数件できています
 昔からの小さな店がなくならないか心配してしまいます
 健さんや寅さんの手描きの看板が掲げられていた古い映画館は見つけることができませんでした
 なくなってしまったようです
 賑わいを見せているのはうれしいながらも、レトロな、いい雰囲気がなくならないかと心配もしてしまいます
 杞憂であってほしいです
 通天閣界隈には、都会のピカピカのまっさらの町とは違って、古いけどなにか懐かしい、そんな雰囲気が残っています
 こんな雰囲気を体験していない若者さえも惹きつける情緒、魅力がこの町には見られます

 新世界は、キタでもミナミでもなく、いつまでも新世界であってほしいのです

 
 ジャンジャン横丁には昔からある将棋ホールが残っていて、ほっとした  (2006.9.22)

謹賀新年~戌年

犬 ~ World is ワン


 
 世界中の人が幸せな年になることを祈っています。

  今年もよろしくお願いします。  (2006.1.1)

人工衛星饅頭

神戸新開地を散歩


  
 人工衛星饅頭なる看板見つけた 職人風のおじさんが焼いてた
 並んでたおばさんいわく「安くて庶民のお菓子」 新開地版御座候ってところ

  
 湊川公園  樹の下では手製のベニヤに碁盤を描いた将棋盤で、将棋に興じているおじさんたち

 新開地は大阪の新世界に似ている
 かつての繁華街で、今は少しおじさん率が高い
 でも庶民的な街で、良質な名画館やおいしい洋食屋さんを見つけたりしたらうれしくなる

 
 名画館パルシネマのプログラムの選択はなかなかいいです  (2005.10.27)


ブログ・日記

エッセイ
    2010.1.1~2009.7.16
  • 謹賀新年~寅年
  • 伝統に新たな風を吹き込む(重森三玲旧宅)
  • 都会の中の広場(北御堂)
  • 商店街の休足スポット(空堀商店街)
  • 京都での幻影的避暑(吉田山)
  • 目に涼しい(神戸三宮センター街)
  • 遺構(枚方市・九頭神廃寺)
  • 2009.7.8~2009.4.21
  • 屋根上の坪庭
  • 枚方の宿(枚方市・鍵屋)
  • インディ・ジョーンズ的お参り(磐船神社)
  • 都会の打ち水
  • 大阪を守る産業遺跡(毛馬第一閘門)
  • 神戸シネマパラダイス(パルシネマしんこうえん)
  • これって・・・?(大阪造幣局の桜の通り抜け)
  • 2009.4.8~2009.2.19
  • 河川敷にたなびくピンクの雲(八幡市・背割堤)
  • 旧街道沿いに面した赤い建物の正体(東高野街道)
  • 姿を消す昭和の思い出(京阪特急・テレビカー)
  • 奈良、鎌倉に次ぐ日本三大大仏(能福寺・兵庫大仏)
  • 現役の明治の駅舎~浜寺かいわい(浜寺公園駅)
  • 京都の花見~梅(北野天満宮)
  • 京阪の不思議駅(京阪萱島駅)
  • 2009.2.7~2008.11.4
  • 景観をつくる昭和の洋館(駒井家住宅)
  • らくがき寺(単伝寺)
  • 謹賀新年~丑年
  • 大根で厄除け(千本釈迦堂)
  • 秋に燃えるお寺(京都・東福寺)
  • 守口の宿(文禄堤)
  • 淀川散歩~わんどのある公園
  • 2008.10.24~2008.4.16
  • 怖い、楽しいお寺(平野全興寺)
  • 岸和田の祝祭空間(だんじり祭り)
  • 京都のろうそく(京都タワー)
  • 四天王寺詣で~お大師さん(大阪・四天王寺)
  • ベンチでコンニチワ(東三国駅)
  • 大阪韓国グルメ体験しました(大阪・鶴橋)
  • 時代遅れなんでしょうか~壊される銭湯(大淀温泉)
  • 2008.4.3~2007.3.7
  • 旧山邑家住宅・20世紀の巨匠の住宅(F・L・ライト)
  • 原風景(伏見の町家)
  • おばちゃんのアメ村(石切神社)
  • 謹賀新年~子年
  • 祇園さんの町家(祇園祭)
  • 台湾の街路型建築(台湾・台北)
  • 江戸のおもかげの残る町(川越市)
  • 2007.1.1~2005.10.27
  • 謹賀新年~猪年
  • オフィス街の動物園(大阪オフィス街)
  • 水都大阪の川の底を通る(安治川隧道)
  • 大阪のちんちん電車(阪堺電車)
  • カラフルな町(大阪・新世界)
  • 謹賀新年~戌年
  • 懐かしさを楽しむ(神戸新開地)
  • 2005.8.9~2004.5.15
  • 祭りのあと
  • 中津の夏祭り
  • 巣づくり
  • 愛知万博 2005
  • 謹賀新年~酉年
  • 家づくり=米づくり
  • オオアリクイ
  • 2004.1.28~2002.5.15
  • 映像に写ったニッポン(大阪国際女子マラソン)
  • 日本の新年~申年
  • 路地に育った小さな緑
  • 建物から住まいへ
  • イサム・ノグチのアトリエ
  • エッセイ~家のつくりようは、夏をむねとすべし
  • 京都市太秦(嵐電)
  • 2002.5.3~2002.4.26
  • 三重県上野市(芭蕉・俳聖殿)
  • 三重県松阪市(御城藩屋敷)
ページのトップへ戻る